駅や商業施設に置かれているコインロッカーは、その多くが「荷物を一時的に預かる」ためだけに使われています。預けたい人がいない時間帯は空いたままになり、設置した台数のわりに収益が伸びにくいのが実情です。
このロッカーを、予約・預入・受取・発送までこなす多機能ロッカーに変えることで、同じ場所が複数の収益源となります。さらに「受け取りに来る」「先に預けて手ぶらで回る」という行動が、お客様の来店動機や客単価の押し上げにつながります。
本ページでは、多機能ロッカーの活用方法についてご提案します。
こんな課題はありませんか
- 一時預けロッカーが、場所によっては使われていない
- 回遊や客単価を、もう一段上げたい
- 手ぶらや受け取りで、お客様に選ばれたい
これらは別々の問題に見えて、実は「ロッカーを一時預けにしか使えていない」という1点に集約されます。次に、実際にこの1点を解いた事例からご紹介します。
実装事例:京王運輸「駅チョク便」
私たちが手掛けた具体例として、京王運輸株式会社の「駅チョク便」をご紹介します。サービスの全体像と、私たちが担った役割を整理します。
サービスの全体像
「駅チョク便」は、専用のECサイトやLINEで注文した沿線の弁当・惣菜・パン・菓子など200点以上の商品を、駅のロッカーで受け取れるサービスです。
- 対応駅:JR東日本線22駅、京王線5駅の合計27駅
- 受け取り方:注文時に受取駅と受取日を選び、届いたQRコードをロッカーにかざして受け取る
- 配送方法:鉄道を活用した配送(運ぶ力の不足という社会課題への対応も兼ねる)
- お客様への提供価値:「駅に立ち寄るついでに受け取れる」という新しい時間価値
これは、駅という場所のロッカーを、地域の商品を受け取れる物流の結節点へと変えた事例です。
私たちMPSは、同サービスの注文・決済の仕組みと、ロッカー・配送をつなぐ部分の導入を支援しました。お客様の注文が、確実に決済され、正しい商品としてロッカーに届き、QRコードで受け取れる。この一連の流れが滞りなく動くよう、実装パートナーと連携しながらシステムの調整を担っています。
多機能ロッカーの仕組み
駅チョク便のようなサービスは、多機能ロッカーだけでも、モバイルオーダーの仕組みだけでも動きません。次の3つが、それぞれ独立した存在として揃って、はじめてお客様が使えるサービスになります。

- サービス:ロッカーを使って何をお客様に届けたいかを企画する主体。鉄道会社・商業施設・自治体・地域活性の受託事業者などがここに立ちます。
- モバイルオーダー:注文を受けて決済まで通すシステム。それ自体が独立した製品として存在します。
- 多機能ロッカー:予約・受取・発送を担うシステム。ロッカー本体と、その予約や空き状況を管理するプラットフォームで成り立ちます。
「サービス」の企画が決まっても、モバイルオーダーと多機能ロッカーはお互いのことを知りません。この2つを、注文フロー・受取タイミング・エラー時の運用まで含めて実サービスとして動かすには、両者の間を橋渡しする設計と実装調整が要ります。
私たちMPSは、このシステム同士の橋渡しを担いました。モバイルオーダー側の機能をお客様のサービス要件に合わせて調整し、多機能ロッカーのプラットフォームと接続する部分を、実装パートナーと連携しながら設計・実装しています。
一時預けロッカーが「多機能ロッカー」に変わると何が起きるか
ここでいう多機能ロッカーとは、1台で予約・預入・受取・発送をこなすロッカーのことです。単機能のコインロッカーとの違いと、それがもたらす変化を整理します。
単機能のコインロッカーが生む収益は、預け料金だけです。これに対して多機能ロッカーは、同じ1台に複数の役割を載せられます。
- 予約:使いたい間口を、日時を指定して先に押さえられます。混雑する観光地でも、確実に自分用のロッカーを確保できます。
- 預入:従来どおりの一時預けに対応します。
- 受取:ネットで注文した商品や、宅配便を、お客様の都合のよい時間に受け取れます。
- 発送:その場から自宅や宿泊先へ荷物を発送できます。
さらに、間口の温度帯を分けられるロッカー(常温/冷蔵/冷凍)も選べます。私たちが支援した駅チョク便では、冷蔵に対応した間口を追加して、生鮮や冷蔵惣菜の受け取りにも使えるようにしました。
受け取りや預け入れのためにお客様が施設へ足を運ぶこと自体が、来館・来場の動機になります。荷物を預けて手ぶらになれば、その分だけ買い物や滞在に時間を使ってもらえます。これまで預かり料だけを生んでいたロッカーが、来店のきっかけをつくり、回遊や客単価の向上につながる設備になります。
業種別の活用シーン
多機能ロッカーは、施設の性格によって生きる場面が変わります。商業施設・球場・駅・観光施設・地域拠点の5つで、それぞれどんな価値が生まれるかをご紹介します。
商業施設・小売:受け取りが「ついで買い」を生む

モバイルオーダーの店頭受取は、物流コストを下げるだけではなく、受け取りに来たお客様の「ついで買い」につながります。
店頭受取を使うお客様の客単価が、通常の来店客よりも高まったという事例もあり、受け取りという来店動機が売上増につながることは間違いありません。
冷蔵・冷凍に対応した多機能ロッカーであれば、ネットスーパーで注文した生鮮品の受け取りにも使えます。
球場・スタジアム:手荷物を預け、グッズは並ばず受け取る

スタジアムやアリーナでは、多機能ロッカーを活用することで、手荷物を預けて身軽に観戦でき、事前に注文したグッズを試合の合間に並ばずに受け取れます。
モバイルオーダーで注文したフードを試合の合間に受け取るという使い方も可能です。
売り逃しを防ぎ、観戦体験も上がるという一石二鳥の取り組みです。
鉄道・駅:手ぶら観光の受け皿になる

多くの人が毎日行き交う駅に多機能ロッカーを設置することで、「荷物を預けて身軽に観光する」「沿線で注文した商品を帰り道に受け取る」といった使い方が生まれます。
特に、旅行者が大きな荷物を持たずに街を回れる「手ぶら観光」は、国も旅行環境の整備として後押ししている取り組みです。
前の日から予約できるロッカーがあれば、旅行先で大きな荷物を持ち歩くという不便を解消できます。さらに、配送システムとつながっているロッカーなら、ホテルまで配送することも可能です。
テーマパーク・観光施設:先に買って、手ぶらで楽しむ

テーマパークでは、買い物が増えるほど両手がふさがり、その先の買い物や食事を楽しみにくくなります。多くの施設が購入商品の宅配サービスを用意しているのは、この「手ぶらで楽しみたい」という需要に応えるためです。
ここに多機能ロッカーが加われば、「モバイルオーダーで商品を購入し、手ぶらで園内を回り、帰りに受け取る、あるいはホテルや空港へ送る」という流れをワンストップで作れます。
買い物の機会を逃さず、満足度を高める仕掛けとなるのです。
地域拠点(コンビニ・郵便局・公民館など):地域の集いの場をつくる

コンビニや郵便局など、街の中心になる拠点に多機能ロッカーを置き、モバイルオーダーで注文した商品や宅配便を受け取れるようにする使い方も考えられます。
近所の高齢者が外に出るきっかけをつくり、拠点で顔を合わせるコミュニケーションと、拠点内での物販のクロスセルを同時に狙う仕組みです。
「まちなかで人が集まる場所」を持つ施設は、モバイルオーダーの受け皿として機能させることで、地域の生活動線に新しい役割を担えます。
ご相談から導入までの流れ
初回のお問い合わせから運用開始までを、4つのステップでご案内します。
お持ちのロッカースペースや施設の状況、やりたいこと、課題、ご予算感などを伺います。「ロッカーをもっと活かせないか」という構想段階で結構です。秘密保持契約の締結も、この段階でご提案します。
ヒアリングをもとに、必要な仕組みの構成、概算の費用感、想定スケジュールを含むご提案をお示しします。複数の選択肢を並べ、お客様と一緒に最適なかたちを選んでいきます。
ご合意いただいた構成に沿って、設計・実装・テストを進めます。定期的な進捗報告と、意思決定が必要な場面でのご相談を重ねながら進めます。
運用開始後も、効果測定、課題への対応、機能の追加、設置拡大の検討まで、継続して伴走します。「作って終わり」ではなく、「育て続ける」のが私たちのスタンスです。
よくあるご質問
お問い合わせの前によくいただくご質問を整理しました。ここで触れていないご質問は、フォームより直接お寄せください。
- ロッカーやECシステムを自社で持っていません。それでも相談できますか。
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もちろん可能です。むしろ、何もない状態から設計するケースは、私たちが力を発揮しやすい状況です。お客様の施設や目的に合わせて、必要な構成をご提案します。
- すでに使っているシステムがあります。活かせますか。
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活かせます。既存のシステムと、ロッカーや配送、決済といった要素をどうつなぐかを設計することも、私たちの重要な役割の1つです。
- 小さく試してから広げることはできますか。
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可能です。数台・数拠点規模の試験運用から始めて、効果を見ながら段階的に広げる進め方をご提案できます。
- 検討から開始まで、どのくらいの期間がかかりますか。
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案件の規模や既存資産の状況によって変わりますが、構想から運用開始まで数か月単位を見込まれるケースが多くあります。まずは目指す姿をお聞かせください。
- 費用感を教えてください。
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構成や規模によって大きく変わるため、初回ヒアリングの後にお見積もりをお示しします。初回のご相談は無料です。
お問い合わせ
施設のロッカースペースを、もっと収益を生む場所に変えたい。お客様に「受け取れる」「預けられる」という新しい体験を提供したい。そうしたご相談を承っています。
「まだ漠然としたアイデア段階で恥ずかしい」という方も、どうぞお気軽にお問い合わせください。私たちは、お客様の「やりたい」を、動く仕組みに変えるパートナーでありたいと考えています。
私たちマネーパートナーズソリューションズ(MPS)は、金融ITで培った確かな実装力と、京王運輸「駅チョク便」での実装実績を活かして、貴社の挑戦を全力で支えます。以下のフォームから、ご連絡をお待ちしています。
