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セキュリティレポート 2026/8/26

「自社のシステムには鍵をかけているから大丈夫」と思っていても、その鍵穴自体に重大な隙間が見つかったとしたらどうでしょうか。

今週はシステムの最高危険度を示すスコア「10.0」の脆弱性や、日常的に使うツールを狙った深刻な攻撃が相次いで報告されており、他人事とは言えない状況です。

大切なデータや業務環境をしっかりと守るため、ぜひ今週の重要サマリーと対策法をお確かめください。

■ 今週のエグゼクティブサマリー

8月度第5週は、「Oracle WebLogic Server」や「Zimbra Collaboration Suite」といった、広く利用されているビジネスシステムを標的とした深刻な脆弱性の悪用が複数報告されており、特に注意が必要です。

これらはシステムの制御権を完全に奪われたり、企業の重要なアプリやデータに不正アクセスされたりする点で非常に危険性が高いです。

また、海外では「イギリスの発電施設がハッカー攻撃により4日間にわたり操業停止に追い込まれる」という、物理インフラを直接脅かす重大なサイバー攻撃が報告されました。国内においても、多くの組織で導入されている資産管理ソフト「SKYSEA Client View」の複数の脆弱性や、モダンなWeb開発で人気のある「Next.js」の深刻な脆弱性が相次いで公表されており、企業の規模を問わず、迅速な現状確認とアップデート対応が求められる1週間となりました

【最重要】直ちに確認すべき脆弱性と対策

今週は、特に以下の脆弱性にご注意ください。これらはCVSS(共通脆弱性評価システム:脆弱性の深刻度を示す指標)スコアが最大値または極めて高く、一部は既に積極的に悪用が確認されています。お使いのシステムや製品が該当しないか確認し、速やかなアップデートまたは回避策の適用を強く推奨します。

■ Oracle WebLogic Server(Webシステムを裏側で動かすための基盤ソフト)の連携機能の脆弱性

  • CVE-2026-21962 (CVSSv3.1: スコア 10.0 [最高値]): WebLogicミドルウェア(異なるシステムを仲介するソフトウェア)の連携モジュールに存在する不具合に起因し、外部の攻撃者によってシステムを完全に乗っ取られ、組織の基幹業務アプリケーションや内部データベースに不正アクセスされる恐れがあります。既に活発に悪用されていることが確認されており、米CISA(サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁)の「既知の悪用された脆弱性(KEV)カタログ」にも追加されました。
  • 影響: Oracle WebLogic Serverを利用し、以前公開されたパッチが適用されていない環境
  • 対策: システム管理部門に確認し、公開されている修正プログラム(パッチ)が適用されているか大至急チェックし、未適用の場合は速やかにパッチを適用してください。

■ Zimbra Collaboration Suite(メールや予定表を共有する共同作業用システム)の脆弱性

  • CVE-2026-73570 (CVSSv3.1: スコア 高/クリティカル): コラボレーションプラットフォームである「Zimbra」に存在する不具合に起因し、遠隔の認証されていない攻撃者によって、サーバー上で不正なシステム命令(OSコマンド)を実行される恐れがあります。これにより、メールや連絡先などの重要なデータが盗まれたり、破壊されたりする危険性があります。既に実際のサイバー攻撃が確認されており、米CISAのKEVカタログにも追加されました。
  • 影響: Zimbra Collaboration Suite(7月20日に公開された修正パッチを適用していないバージョン)
  • 対策: 開発元が公開している修正済みのソフトウェアへのアップグレードを直ちに実施することを強く推奨します。

【その他の脅威の動向】

■ 【ライフラインへの脅威】英国の発電施設、ハッカー攻撃により4日間の操業停止に

イランに関連があるとされるハッカー集団により、イギリスの発電施設がサイバー攻撃を受け、4日間にわたり運転(操業)を停止させられたことが判明しました。同時期にはアメリカの水道インフラへのサイバー攻撃も相次いでおり、サイバー攻撃がネットワークの世界を超えて、電気や水といった私たちの生活に不可欠な物理インフラ(重要ライフライン)を直接停止・破壊する段階に入ったことを示しています。これまで以上に、産業インフラシステムの厳重な監視と防御が求められます。

■ 【国内ソフトウェア】IT資産管理ソフト「SKYSEA Client View」等における複数の脆弱性公表

国内の極めて多くの企業、学校、自治体などでパソコンやソフトウェアなどの管理・監視に使われている「SKYSEA Client View」および「SKYMEC IT Manager」に、複数のセキュリティ上の弱点(脆弱性)が公表されました。この弱点を突かれると、最悪の場合、管理下にあるシステムに入り込まれて情報を盗まれたり、乗っ取られたりする危険性があります。開発元からはすでに修正版が提供されていますので、導入している組織は速やかに確認と適用を行う必要があります。

■ 【Webシステム】多くのWebサイトで使用される「Next.js」に深刻な脆弱性、緊急の修正版が提供

モダンなWebサイトやアプリを構築するための非常に人気が高いシステム「Next.js」において、複数の深刻な弱点(脆弱性)が発見されました。放置すると、不審なアクセスや悪意ある操作を許してしまう恐れがあります。深刻さを考慮した開発チームは、当初予定していたアップデートスケジュールを急遽前倒しし、緊急の修正バージョンを公開してユーザーへ速やかな適用を呼びかけています。自社のWebサイトやWebシステムがNext.jsを利用していないか、今一度システム開発部門へのご確認をお勧めします。

最後に

今週は、ビジネスの根幹を支える「Web基盤やメールなどの最重要システムの脆弱性(WebLogic、Zimbra、Next.js)」の悪用から、社会インフラを人質に取る「重要ライフラインへのハッキング」、そして国内組織に広く普及している「資産管理ソフト(SKYSEA)の脆弱性」にいたるまで、極めて多層的かつ実害を伴うサイバー脅威が目立つ1週間となりました。

貴社のシステムにおいて、該当する製品が使われていないか、また最新のセキュリティパッチが迅速に適用されているかを今一度システム担当の方とご確認いただき、適切なセキュリティ対策を講じていただくようお願いいたします。