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セキュリティレポート 2026/8/19

「最新のAI技術を導入し、業務効率化が順調に進んでいると思ったら、実はAI基盤に裏口まで開けられていた」——そんな笑えない冗談のような攻撃が、今まさにAI基盤や標準的なMicrosoft環境を狙って現実化しています。

自社を守るセキュリティの落とし穴にハマらないためにも、まずは今週のエグゼクティブサマリーから最新動向をご確認ください。

■ 今週のエグゼクティブサマリー

2026年8月第4週は、Microsoft製品の月例更新と、AI開発で広く使われるフレームワーク「Ray」の脆弱性悪用が複数報告されており、特に注意が必要です。

これらはシステムの管理者権限の奪取やリモートでの不正操作を許すという点で、非常に危険性が高いです。

また、Lazarus Groupなどの特定の攻撃グループによるWindowsのゼロデイ脆弱性を悪用した活動も活発化しており、国内でもRIZAPグループのオンラインストアへの不正アクセスやREXT社のランサムウェア被害などのインシデントが多数報告されました。

【最重要】直ちに確認すべき脆弱性と対策

今週は、特に以下の脆弱性にご注意ください。これらはCVSSスコアが高く、一部は既に積極的に悪用が確認されています。お使いのシステムや製品が該当しないか確認し、速やかなアップデートまたは回避策の適用を強く推奨します。

■ Microsoft製品の月例セキュリティ更新(ゼロデイ脆弱性含む)

  • 多数のCVE (CVSSv3.1: 最高スコア 9.8など): 2026年8月の更新プログラムでは、400件を超える脆弱性が修正されました。その中には、攻撃者がPC上でシステム権限を不当に取得できるゼロデイ脆弱性が含まれており、既に実際の攻撃が確認されています。
  • 影響: Windows 10, Windows 11, Windows Server製品、Office、SharePointなど、広範なMicrosoft製品。
  • 対策: 「Windows Update」を直ちに実行し、最新のセキュリティパッチを適用してください。

■ Ray(AIフレームワーク)のリモートコード実行(RCE)の脆弱性

  • CVE-番号未特定 (CISA KEV追加): AIモデルの開発・実行に使用されるフレームワーク「Ray」において、リモートから任意のプログラムを実行される恐れがある脆弱性が確認されました。米当局(CISA)は、この脆弱性が既に活発に悪用されているとして、「既知の悪用された脆弱性(KEV)」カタログに追加しました。
  • 影響: Rayフレームワークを利用しているAI開発環境。
  • 対策: 開発者は利用しているRayのバージョンを確認し、修正済みバージョンへのアップデートを3日以内に行うよう推奨されています。

【その他の脅威の動向】

Apple製品(macOS/iOS)における多数の脆弱性修正

Appleは、最新のOSである「macOS Tahoe 26.6.2」やiOS向けのアップデートを公開し、28件以上の脆弱性に対処しました。これらの脆弱性の中には、悪意のあるWebサイトを閲覧するだけでメモリが破壊されたり、サンドボックス(安全な隔離領域)を回避してデータを盗まれたりする恐れがある深刻なものが含まれています。一部は「既知の悪用された脆弱性」として報告されており、iPhoneやMacをお使いのすべてのユーザーは、今すぐ最新OSへのアップデートを行う必要があります。

国内企業を狙ったランサムウェア・不正アクセス被害の相次ぐ発生

国内では、WonderGOOや新星堂を運営するREXT社がランサムウェア攻撃を受け、一部店舗の業務に影響が出ました。また、RIZAPグループのオンラインストアや、EC支援の「ショップサーブ」への不正アクセスにより、数百万人規模の個人情報やクレジットカード情報が流出した可能性が報告されています。多くの事例で、VPN機器の脆弱性や認証情報の不備が侵入経路となっており、外部公開しているシステムの徹底的な見直しが急務です。

SAP Commerce Cloudの脆弱性が修正直後に悪用

オンライン販売プラットフォームであるSAP Commerce Cloudにおいて、極めて深刻な脆弱性(CVE-2026-58231)が修正されましたが、そのわずか3日後には実際の攻撃での悪用が確認されました。この脆弱性は、認証なしでシステム全体を制御される恐れがあるため、該当する製品を利用している組織は、パッチの公開後いかに迅速な対応が求められるかを浮き彫りにしています。

最後に

今週は特に、「修正パッチの公開直後を狙った攻撃」や「AI開発基盤など新しい技術領域への攻撃」が目立ちました。

貴社のシステムがこれらの脅威に晒されていないか、今一度ご確認いただき、適切なセキュリティ対策(特にOSやミドルウェアのパッチ適用)を講じていただくようお願いいたします。